梅雨時期は足が蒸れやすく、放っておくと水虫や感染症などのトラブルにつながることがあります。特に高齢者は皮膚がデリケートで抵抗力も弱いため、ちょっとした足のトラブルが思わぬ体調不良の原因になることもあります。そうならないように、日頃からしっかりケアしておくことが大切です。
この記事では、日常生活の中で実践できる足の手入れ方法と、役立つ介護用品・アイテムをご紹介します。ぜひ、高齢者の足のケアにお役立てください。
梅雨時期に起こりやすい足のトラブルと原因

梅雨時期は湿気で足が蒸れやすく、浸軟や水虫などのトラブルが起こりやすくなります。ここでは、足の不快感が増す理由やトラブルの種類、高齢者の足のケアの重要性について解説します。
梅雨時期に足の不快感が増す理由
梅雨時期は気温と湿度が高くなるため、足が蒸れやすく、さまざまな皮膚トラブルが起こりやすくなります。
特に高齢者は、年齢とともに肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激に敏感になりがちです。
さらに、痛みやかゆみなどの不調を感じにくくなったり、認知機能の変化により異常に気づきにくくなったりすることもあります。
そのため、定期的に足の状態をチェックし、早めに異常に気づくことが大切です。例えば皮膚に赤みやただれ、小さな傷がないか、水虫になっていないかなど、注意深く確認してください。
足の蒸れが引き起こす具体的なトラブル
足の蒸れは軽く見られがちですが、放っておくとさまざまな皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。これらのトラブルは日常生活に大きな不快感をもたらすだけでなく、適切なケアを行わなければ重症化する恐れもあります。
そのため、足の状態をこまめに確認し、異変に気づいた際は早めに専門家へ相談することが大切です。
- 浸軟(しんなん)
- 水虫(足白癬)
- 皮膚炎
- 蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの感染症
浸軟(しんなん)
足が汗や湿気で常に濡れた状態になると、皮膚が水分を過剰に吸収し、白くふやけてやわらかくなります。
この状態は皮膚のバリア機能を低下させ、わずかな刺激でも傷つきやすくなります。
水虫(足白癬)
高温多湿な環境では、水虫の原因となる白癬菌(はくせんきん/カビの一種)が繁殖しやすくなります。
さらに、ふやけた皮膚は白癬菌が侵入しやすくなり、強いかゆみ・水ぶくれ・ただれなどの症状が現れることがあります。
皮膚炎
蒸れによって肌のバリア機能が損なわれると、かぶれや湿疹などの皮膚炎が起こりやすくなります。
特に高齢者は肌がデリケートになっているため、炎症を起こしやすく注意が必要です。
感染症
浸軟や皮膚炎によってできた小さな傷口から細菌が侵入し、皮膚の深い部分で炎症を起こすことがあります。
重症化すると皮膚が赤く腫れ上がり、発熱を伴う蜂窩織炎のような感染症に進行する可能性もあります。
蒸れ以外にも気をつけたい高齢者の足のトラブル
足のトラブルは、単なる蒸れだけでなく、加齢による体の変化や血行不良、水分代謝の乱れなど複数の要因が絡み合って起こります。
特に梅雨時期に気をつけたい足のトラブルには、以下のものが挙げられます。
- むくみ:気圧の低下や高湿度、長雨による運動不足が原因で、足に水分がたまりやすくなります
- 角質・爪のトラブル:年齢を重ねると肌の新陳代謝が低下し、足裏やかかとの角質が硬くなったり、爪がもろくなったりする症状が現れることがあります。これらの症状があると、さらに蒸れによる足のトラブルを引き起こしやすくなります。
日頃から上記の点に注意して足のケアを行うことが、高齢者の足の健康維持において重要です。
次章では、ご家庭でできる蒸れ対策について詳しくご紹介します。
家庭でできる高齢者の足のケアと工夫

ここでは、足を清潔に保つための具体的な方法や靴・靴下選びのポイントなどを幅広くご紹介します。
本章で具体的な蒸れ対策を知り、足を清潔に保つためのヒントとしてください。
足を丁寧に洗い乾燥させる
足の皮膚トラブルを防ぐには、足を清潔にして乾燥した状態を維持することが大切です。特に足の指の間は、汚れや湿気がたまりやすく、雑菌が繁殖しやすい場所のため、丁寧に洗って乾燥させましょう。
入浴の際は、石鹸やボディソープをよく泡立て、指の間や爪の隙間までよく洗ってください。洗う際はゴシゴシこすらず、優しく洗います。
洗い終わったら、石鹸成分が残らないようにしっかりすすぎ、やわらかいタオルで水分を拭き取ってください。
特に指の間は、湿ったままだと菌が繁殖しやすいため、タオルで拭き取った後、必要に応じてドライヤーの冷風などで完全に乾燥させましょう。
靴はローテーションで使用する
足の蒸れ対策には、日々の靴の管理も非常に重要です。特に梅雨時期は湿気が多いため、同じ靴を毎日履き続けると、靴の内部に汗や湿気がこもります。その結果、雑菌が繁殖しやすくなってしまうのです。
そのため、靴の中に雑菌を繁殖させないよう、複数の靴をローテーション(交代)で使うことをおすすめします。靴は最低でも2〜3足用意しておき、毎日違う靴を履くようにしましょう。ローテーションで使うことで、履いた靴を休ませて、内部にこもった湿気を十分に乾燥させることができます。
靴や靴下を見直す
高齢者は足の蒸れに気づきにくいため、日常的に使う靴や靴下を見直すのも一つの選択肢です。蒸れにくい素材を選んで清潔を保つことが重要です。
靴下は、綿や麻といった吸湿性・速乾性に優れた天然素材、もしくは、汗を素早く吸収して乾かす化学繊維がおすすめです。
また、5本指ソックスは指の間の汗も効果的に吸収してくれます。
靴を選ぶ際には、通気性の良いメッシュ素材や通気口付きのデザインを選びましょう。
革靴の場合は、合成皮革よりも通気性に優れた天然皮革をおすすめします。
蒸れ対策におすすめのアイテム

足の蒸れは、適切なアイテムを使うことで予防・改善できます。
ここでは、日常的に取り入れやすい商品をご紹介します。それぞれの特徴を参考に、ご自身に合ったものを見つけてください。
靴用乾燥剤
靴用乾燥剤は、靴内部にたまる湿気を効果的に取り除くアイテムです。梅雨時期は特に湿気がこもりやすくなるため、足の蒸れやにおいが気になる方におすすめです。
最近は、靴のサイズや形に合わせたさまざまなタイプの乾燥剤があります。消臭機能や除菌効果を備えた製品も増えているため、ニーズに応じて選ぶことができます。
足の蒸れが気になる方は、まずは手軽に使える靴用乾燥剤を試してみるのも一案です。
消臭加工の靴下
蒸れによる足のにおいが気になる場合、消臭加工の施された靴下を試してみてはいかがでしょうか。
消臭加工が施された靴下は、繊維自体に消臭成分や抗菌成分が練り込まれており、汗や蒸れからくる不快なにおいの発生を抑える効果が期待できます。
5本指靴下
足のにおいや蒸れが気になる梅雨時期には、5本指靴下もおすすめです。
通常の靴下では指同士が密着し、間に汗がたまりやすくなります。しかし、5本指靴下は指が密着しないため、指の間の汗を吸収し蒸れを防ぐことができます。
「婦人ゆったり5本指滑り止めソックス」は、足の指の間の汗をしっかりと吸収し、蒸れを防いでにおいや水虫などのトラブルを軽減します。
履き心地にもこだわり、足口はゆったりとしているため締め付け感がありません。
さらに、足裏の指先まで滑り止めがついているため、フローリングなどの滑りやすい場所での転倒リスクを減らし、高齢者の足元をしっかりサポートします。
肌への刺激を減らすため、足口の縫い目が外側になっているのも安心なポイントです。

通気性の良い靴
足の蒸れ対策には、通気性の良い靴を選ぶことが大切です。靴の中が蒸れると、雑菌が繁殖しやすくなり、それが足のにおいや水虫などのトラブルを引き起こす原因にもなります。
特に高齢者の靴を選ぶ際は、通気性に加えて、履きやすさや安全性も重要です。その点、介護用の靴には、高齢者が使いやすいように工夫されたものが多くあります。
例えば、軽量で足への負担が少ないもの、履きやすさを考慮した広い開口部、そして滑りにくい靴底など、履き心地だけでなく安全面にも配慮されているのが特徴です。
詳しくはどこで買う?失敗しない介護用靴の選び方で解説しています。
「ダブルマジックⅢ綾風 3E 両足」は、あゆみシリーズの定番として人気のある介護用シューズで、特にその通気性の良さが大きな特長です。
従来品と比べて約5倍も通気性が向上しており、足の蒸れやにおいが気になる方に特におすすめします。
また、手洗いができるため、いつでも清潔に保てるのも嬉しいポイントです。甲の部分が大きく開くので履きやすく、ベルトで足の状態に合わせて長さを調整できるなど、高齢者に優しい設計が魅力です。

まとめ:高齢者の足トラブルを防ぐ蒸れ対策と日々のケア
梅雨時期の足のトラブルは蒸れだけでなく、加齢による体の変化やむくみなど、複数の要因が絡み合って起こります。
足のトラブルを放置すると蜂窩織炎のような感染症を引き起こす可能性もあるため、日頃から足のケアを行うことが大切です。
本記事では、足の洗い方や靴の管理、そして消臭靴下や通気性の良い靴といったアイテムをご紹介しました。
ご紹介した情報を参考にして、あなたやご家族に合った最適な方法でケアを行ってください。
介護用品でお困りならヤガミホームヘルスセンターへ
介護用品選びで迷ったときは、ヤガミホームヘルスセンターにご相談ください。
ヤガミホームヘルスセンターでは、介護シーンに適した靴や室内履きをはじめ、使いやすさに配慮した商品を豊富に取り揃えています。
また、使用される方の状態や目的に合わせて、経験豊富なスタッフが最適な商品選びを丁寧にサポートします。
初めて介護用品を選ぶ方でも安心してご利用いただけますので、ぜひお気軽にご相談ください。
ご相談窓口
介護用品・医療用品のオンラインショップ ヤガミホームヘルスセンター「e.よりそうだん」
詳しくはこちら
ご連絡先電話番号 (通話料無料) | 0800-555-7772 |
受付時間 | 月〜金曜 10:00〜17:00 |
休業日 | 土曜・日曜・祝日・年末年始 |
オンラインショップメール | info@e-yorisoudan.com |