高齢の家族や介護が必要な方にとって、立ち上がりや移動時の安全性に配慮することは、日常生活では欠かせません。中でも「置き型手すり」は、壁や床への工事が不要で、必要な場所に簡単に設置・移動できる手軽さから、在宅介護で広く活用されています。
この記事では、置き型手すりの主なメリットや、玄関・トイレ・ベッド周辺といった場所別の活用例、さらに介護保険を利用したレンタル制度についても解説します。日常生活をサポートする福祉用具として、ぜひ参考にしてください。
置き型手すりとは?工事不要で活用できる福祉用具

置き型手すりは、床に設置して使用する福祉用具で、立ち座りや移動といった日常動作をサポートするための補助器具です。
土台となる金属製の床板(ベース)と手すり部分が一体となった構造で、トイレや玄関、寝室など屋内のさまざまな場所で活用できます。工事不要なため、購入やレンタル後すぐに使い始められ、賃貸住宅でも壁や床を傷つけることなく設置できる点が特長です。
加齢による筋力低下で立ち上がりに不安を感じる方や、バランスを崩しやすくなった方に適しています。
置き型手すりを活用する主なメリット

置き型手すりは、高齢の家族の日常生活をサポートする重要な福祉用具です。工事を必要とせず、必要に応じて設置場所を変更できる柔軟性が特長といえます。
ここでは、置き型手すりの主なメリットについて解説します。
身体的負担の軽減と転倒予防
置き型手すりは、日常動作における身体的負担を軽減する役割があります。立ち上がる、座る、またぐといった動作の際に、手すりを使って体重を支えることで、足や腰への負担を軽くできます。
手すりにつかまりながら動作を行うことで体を安定させ、ふらつきやすい場所での転倒リスクの軽減につながります。
設置や移動が簡単な利便性
置き型手すりの特長として、利用者の身体状況の変化や、部屋の模様替えなどに合わせて、設置場所を変更できる利便性があります。
また、住宅の壁や柱を傷つけることなく設置できるため、持ち家はもちろん、原状回復義務のある賃貸住宅にも適しています。床や壁に固定しないので家屋が傷つきにくく、移動させやすい点も魅力です。
【場所別】置き型手すりの活用事例と選び方

高齢の家族が日常生活で頻繁に利用する場所によって、置き型手すりの活用方法は変わります。玄関、トイレ、ベッド周辺など、それぞれの場所特有の動作や課題に対応した製品選択が大切です。
以下では、主な設置場所における具体的な活用事例と選び方のポイントについて解説します。
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玄関での活用:段差の昇降をサポート
玄関の上がりかまちを上り下りする際、置き型手すりは体を支える役割を果たします。段差での昇降時にはしっかりとつかむことができるため、転倒リスクを軽減する効果が期待できます。
靴の脱ぎ履きを行う際にも、手すりにつかまることで姿勢を安定させやすくなります。玄関の広さや利用者の動線を考慮した製品を選択することが大切です。
ベッド周辺での活用:起き上がりと移乗の支援
ベッドや布団からの起き上がり動作において、手すりを使うことで体への負担を軽減できます。ベッドから車いすやポータブルトイレへ移乗する際にも、手すりが支えとして役立ちます。
ベッドに固定するパーツをオプションで付けられる製品を選ぶことで、より安定して使用できます。設置の際は、使用者が移動する際に自然と手を添えられる位置に配置することが重要です。
トイレでの活用:立ち座りと方向転換の補助
便座からの立ち座りの際、両手でしっかりと体を支えられる置き型手すりが役立ちます。狭いトイレ内で体の向きを変える際にも、手すりがあることで安全かつスムーズな動作がしやすくなります。使用者の動作に合わせてベース部分を踏むように設置することで、自然と体重がかかり、手すりがより安定しやすくなります。
また、便座に固定する「フレームタイプ」と呼ばれる手すりもあります。こちらはいわゆる置き型手すりとは異なり、便座と連結することでさらに安定感が高まります。使用環境や利用者の身体状況に応じた、もう一つの選択肢となります。
介護保険の活用|レンタルと購入の違いを解説

介護保険を利用して福祉用具を導入する際には「レンタル」と「購入」の2つの方法があります。利用方法は品目ごとに区分されており、例えば置き型手すりはレンタルのみ、入浴補助用具は購入のみ、歩行器は品目によってレンタルと購入の選択が可能など、福祉用具によって利用方法が異なります。
それぞれの特徴を理解し、利用者に合った福祉用具を活用することが大切です。
以下の記事では、介護保険と入浴補助用具について詳しく解説していますので、併せてご参照ください。
【福祉用具貸与】置き型手すりのレンタル制度
福祉用具貸与では、13品目がレンタル対象となっています。手すりでは、置き型手すりの他に突っ張りタイプの手すりも工事を伴わない手すりとしてレンタルが可能です。
要支援1・2、要介護1~5の認定を受けた方が利用でき、月々のレンタル費用は自己負担割合1~3割です。
利用開始の流れは、ケアマネジャーへの相談、業者選定、納品・適合状況確認という手順で進みます。身体状況の変化に応じて用具を変更できることや、定期的なメンテナンスを業者に任せられるため、安心して利用できる点がレンタル制度の大きなメリットです。
介護に関するご相談はヤガミホームヘルスセンターへ
置き型手すりは、工事を必要とせず、床に設置するだけで、高齢の家族の日常動作をサポートする福祉用具です。玄関やトイレ、ベッド周辺などさまざまな場所で活用でき、立ち上がりや移動の際に役立ちます。介護保険の福祉用具貸与を利用することで、月々の負担を抑えながらレンタルできる点もメリットといえます。
身体状況に応じた適切な製品選びや介護保険制度の活用について、専門的なアドバイスが必要な場合は、ヤガミホームヘルスセンターにお気軽にご相談ください。レンタル事業所一覧は下記よりご確認いただけます。
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